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野菜

​丸元康生のスンナリ栄養学

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動きのある、生き生きとしたイラストに




 分かりやすいのは「目からウロコが落ちるイラスト」の方ですが、こちらにも実は問題があります。イラストなので仕方がないとは言え、動きを表現しにくいのです。


 栄養学では、からだの中の世界を扱います。そこで登場する分子たちは、いつでもアクティブにダイナミックに動いています。常に動き回るのが、「生きている」ということですよね。


 その何よりも大切な「動き」が、イラストでは表現しにくい。

 本でも雑誌でも紙面スペースに限りがあるので、せいぜい2コマのイラストで表現するくらいが精一杯でした(表題イラストのように)。

 

 「もっとイラストの数を増やしたい」と言うと、編集者さんに叱られる。

 人知れず満たされない日々を過ごしていたのですが、ある時から光がさして、がぜん楽しくなりました。

 スライドを使った講義を本格的に始めてからです。

 スライドなら、コマ数を好きなだけ増やしても誰にも文句を言われません!


 スライド資料としては、こんな感じにインスリンの働きを描きました。肝心な部分以外は、できるだけシンプルにしてあります。


 

 血液中にだぶついたブドウ糖を倉庫(骨格筋の細胞)に入れたい。でも、ブドウ糖だけでは勝手に入れません。


 そこでインスリンが登場。

 細胞膜の上には、インスリンがカチリとはまる形をした受容体があります


 インスリン受容体にスッポリおさまると、ちょっとした仕掛けが働きます。細胞の中で休んでいた「輸送体」と呼ばれるタンパク質が活性化されるのです。


 活性化された輸送体は細胞膜へ移動して、ブドウ糖を細胞内に入れる扉になります。



 インスリン受容体輸送体と、主要メンバーの関係をキチンと描いたモデルができれば、それを使っていろいろなことを簡単に説明できます。

 

 たとえば、血糖値が高い人に、なぜ運動が進められるのかというと……

 運動によって、輸送体の数を増やすことができるからです。

 それによって、ブドウ糖を取り込む扉を増設できます。


 スーパーでも、レジが1つしか空いていなければお会計待ちのお客さんが渋滞してしまいますが、3つ4つと開けてもらうと流れがよくなりますね。それと同じことです。



 適切な運動をすれば、運動を終えてから10時間ほどたつと輸送体が増え始め、その効果は2、3日持続します。ですから、血糖値が気になるなら、週2、3回は意識して運動をした方がいいですね。




 

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