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野菜

​丸元康生のスンナリ栄養学

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「自分にはどの栄養素が必要?」考えるより、感じてみませんか?



 前回のタイトルは「自分に必要な栄養素は、自分で分かるはず」でしたが、自分のケースで思い返してみると、一番ハッキリ分かったのは生野菜でした。


 一人暮らしをしていた学生時代、お金がなくなると1週間近く「しょう油ライス」や「バターライス」ですませることもありました。

 そんな時、生野菜のサラダにありつくと「むさぼり食い」のスイッチが入り、猛獣が夢中で肉を食いちぎり、そのままのみ込む勢いで食べ尽くしました。まさに、からだが「欲している」感じでした。


 ただ、誰もがいつでも「必要な栄養素が、自分で分かる」のかというと、そうでもないようです。

 こんなことがありました。


 久しぶりに会った友人が、顔色が土気色で、表情も暗く、あまりに生気がなくて驚いてしまいました。


 「元気なさそうだけど、大丈夫?」

 「うん。何だか最近体調が悪くて……」

 「仕事し過ぎなんじゃないの?」

 「そうかなぁ。仕事は前から同じような感じだし。原因が分からないんだよね……」


 たまたま1週間後にまたその友人と会ったのですが、今度は別人のように元気そうで、表情も明るく輝いていてビックリ。


 「あれ!? 今日はすごく調子良さそうだね!」

 「そうなの。すごく元気!」

 「何で?」

 「たまたまテレビ見てたら、酵素栄養学の鶴見隆史先生が出てて、『大根おろしがいいよ』って話してたのね。それで試してみたら、一発で元気になっちゃたの」

 「えっ!?」


 ぼくは驚きました。この友人はかなり食事に気を使っていて、一緒にランチを食べたりしても、一番ヘルシーな定食を必ず選ぶ印象があったからです。


 「だって、いつでもいい食事してたでしょう?」

 「そうなんだけど、考えてみたら、もう5年くらい生の野菜を一度も食べてなかったのよ」

 「……!?」


 彼女は書籍の編集のお仕事をしていて、「野菜は加熱してとるべき。生では食べない方がいい」と主張する先生の本を担当したことがありました。その食事法を実践したところ、調子が良かったので、ずっと生野菜を避けていたそうです。


 人には本来、自分に不足している栄養素を感じる能力があるはずです。でも、頭で「これは食べていい。これは食べちゃダメ」と決めつけてしまうと、自分の内からのメッセージが聞こえなくなってしまうのではないでしょうか?


 ぼく自身も余計な(?)知識にとらわれて、ある栄養素が深刻に欠乏する方向へつき進んでしまった経験があります。ですから今では、特に自分の中でルールを決めず、からだが求めているものを感じる感覚を大切にしようと思っています。


 ちなみに、大根おろしですが、劇的な変化を起こすポテンシャルがあります。

 食べ過ぎたり、自分に合わないものを食べてしまったりして具合が悪い時は、食事を抜いて、大根おろしだけを静かに味わってみるといいですよ。




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