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野菜

​丸元康生のスンナリ栄養学

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~発酵食品を毎日食べると、白血球が整います~  消化と吸収を助ける「ヨガ的な食事」㊹ 【by平田ホリスティック教育財団 理事 丸元康生】

 発酵食品にドッサリ入っている、細菌の死体。

「それがなぜ役に立つのか」が今回のテーマです。

1 栄養素を吸収する

2 有害物質の侵入を阻止する

3 有害なものとそうでないものを間違えずに見分ける

 細菌の死体はこのうちの3番と関係しています。




 まず、腸の構造について確認しておきましょう。

 腸の内側の壁には、無数の突起があります。


 毛足の長いカーペットで全面的にカバーされているようなものだと考えてください。










 その壁は、細胞がびっしり並んで作られています。


 腸の壁を作っている細胞のほとんどは栄養素の吸収に特化しているのですが、中には別の働きを持つスペシャル細胞も混じっています。

 

 その1つが、「M細胞」。





  腸の中には、からだに害があるのかないのか分からない物が無数に漂っています。不審な物を見つけたら、有害かどうか確認しないといけません。そこで、M細胞の出番です。


 怪しい物は、M細胞から腸の内側に取り込まれます。これは、栄養素を吸収するのとは完全に別ルートです。そして、M細胞の下には、からだを守る特殊部隊である白血球たちが勢ぞろいして待ち構えています。




 白血球の中には、不審者の素性を調べる担当のメンバーがいます(マクロファージや樹状細胞など)。


 調査の結果、「クロ」だとなれば、後ろに控えている強力な武装集団(リンパ球)が動員されるという流れになります。






 以上を踏まえて、発酵食品について考えてみましょう。


 例えばヌカ漬けを漬けるヌカ床には、生きた乳酸菌も入っているし、菌たちが吐き出した食べカスも入っているし、死んだ菌たちの破片もたくさん入っています。


 この菌の破片が、白血球による防衛システムにとって欠かせないものなのです。





 日常的に発酵食品を食べていると、菌の破片がM細胞を通してひっきりなしに「白血球の鑑識部屋」へ届けられます。それによって白血球集団は、いつでも適度に刺激された状態になります。


 発酵食品に入っている菌の破片は、もともと有害なものではありません。ですから、白血球は一応チェックをしますが、その過程でストレスがかかったり、緊張したり、パニックになったりしません。その意味で、「適度な」刺激なのです。


 こうして「練習台」が次々にやって来てくれると、毎日何100本もノックを練習する野球選手のように鍛えられます。


 発酵食品を一切摂らなかったとしたら、コロナ禍で自宅待機になって、一切練習ができなくなった野球部状態になってしまいます。これでは、本当に有害な物質が侵入した時、即座に適切な対応をとれません。


 恐れる必要のない相手に対してビビりまくったり、パニックったりすると、アトピー、アレルギー、自己免疫疾患にもつながります。

 ですから発酵食品は、白血球を中心としたからだの危機管理センサーを絶妙に刺激して、うまく稼働させる助けになるということです。


 そこでポイントになるのは、発酵食品を毎日食べ続けること。

 発酵食品というと、まずヨーグルトが思い浮かぶかもしれませんが、ヨーグルトにこだわる必要はありません。ご自分がおいしく食べられる発酵食品を探して、長く摂り続けることが大切です。

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