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野菜

​丸元康生のスンナリ栄養学

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消化と吸収を助ける「ヨガ的な食事」㉚【by 平田ホリスティック教育財団 理事 丸元康生】

 マインドフルネスを減量プログラムにとり入れることで、減量ダイエットをむりなく長続きさせやすくなり、メタボ対策の効果も期待できる、というデータがいくつも出されています。

 米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームが行った研究からは、スイーツの誘惑に打ち克って、血糖値を安定させるためにマインドフルネスが役立つと報告されています。今回は、この研究をご紹介しましょう。

 被験者は、サンフランシスコ周辺に住む、特に持病のないぽっちゃり型の女性194人。

 無作為に2つのグループに振り分けられました。

 「マインドフルネスグループ」は、減量目的の食事指導と運動指導に加えて、マインドフルネスの指導も受けるグループ。

 「比較対照グループ」には、食事・運動指導だけが実施されました。マインドフルネス的な指導はなしです。


 減量指導を受ける期間は5.5か月。これはどちらのグループも同じです。

週に1度の講習、週末の半日ワークショップなどから、減量につながる食事法と運動法が指導されました。ここまでは、どちらのグループも同じ。

 マインドフルネスグループには、食べることに意識を合わせる食事の仕方、食べる瞑想エクササイズ、ヨガなどの指導もプラスされました。 


 日常的に食べている食事の内容、甘いお菓子を食べる量、血糖値などのデータは3回調べられました。研究をスタートした時、6か月後、12か月後の3回です。

 減量指導プログラムの期間が5.5か月ですから、プログラムの終了直後の効果を調べることが6か月後計測の目的でした。それから半年にわたって、教えられたことをどれだけ実践できて効果を維持できたかをチェックするのが12か月後計測の目的です。

 データをまとめた結果、マインドフルネスグループは、スイーツを食べる量が明らかに少なくなり、しかも少ない状態を1年間キープできていたことが分かりました。

 「以前と比べて甘いものを食べたいと思わなくなった」「食べるにしても以前より量は減った」と回答する人が多く、その傾向は12か月後でも維持されていました。

 一方、対照グループは、減量プログラムを受けた直後の6か月時までは順調にスイーツを減らせていましたが、その後は徐々に増え始めました。教えてもらったことが身につかず、だんだん元の生活習慣に戻ってしまったようです。




 血糖値は、マインドフルネスグループは実験期間を通してほぼ変化のない、安定した状態でした。対照グループでは、減量プログラムが終了した後は上昇カーブに入る傾向が認められています。









 研究の責任者は、「今回の結果は、甘いものの食べ過ぎや血糖値が気になる人にとって、マインドフルネスが重要な意味を持つことを示しています」と語っています。「ダイエットや運動などで体重を減らそうとトライしたけれど、長続きしなかったという方は多いと思います。望ましい習慣を、いかに長続きさせられるかがカギになるわけですが、マインドフルネスは習慣を定着させるのに大いに役立つ可能性があります」

 五感を通しておいしい刺激をしっかり受け取るマインドフルな食べ方は、栄養素の消化と吸収も助けます。マインドフルネスを減量ダイエットにとり入れることは、栄養状態を改善させて、より健康的なダイエットにアップグレードすることにつながります。

 しかも、習慣として長続きもさせやすくなるということですから、マインドフルネスはダイエットの重要なサポート役になると考えてよさそうです。

 Effects of a mindfulness-based intervention on mindful eating, sweets consumption, and fasting glucose levels in obese adults: data from the SHINE randomized controlled trial

 J Behav Med. 2016 April ; 39(2): 201–213

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