top of page
野菜

​丸元康生のスンナリ栄養学

ブログや、ワークショップ、各イベント等のタイムリーな情報を配信しています。

jhckitchenlab

消化と吸収を助ける「ヨガ的な食事」⑳【by 平田ホリスティック教育財団 理事 丸元康生】

 前回は、ごはん大盛りをガツガツかきこんだ後(=糖質摂り過ぎ)、眠くなるメカニズムについてお話ししました。では、「糖質を摂り過ぎなければ大丈夫か?」と言うと、それでも眠くなってしまう人がいます。その原因を3つご紹介しましょう。

1:遺伝体質

 からだの中で、インスリンの製造・分泌を担当している臓器は、すい臓です。本来は、食事をした直後に、すい臓からまとまった量のインスリンが分泌されないといけません。でも、遺伝体質のせいで、これがうまくできない人がいます。その場合、食後に血糖値が上がりすぎてしまいます。

 すい臓は大いにあせり、必死にインスリンを作り続けます。血糖値のピークが過ぎて、下がり始めたころになって、すい臓にもようやくエンジンがかかり、インスリンをドサッと投入。これでは、ダメ押しのプッシュになり、血糖値が下がり過ぎてしまう、という前回と同じ低血糖の展開になってしまいます。


2:すい臓の疲弊

 糖質を摂り過ぎると、すい臓はより多くのインスリンを分泌する必要があり、オーバーワークになります。その食生活を長年続けていると、すい臓も疲れ果て、食事直後にインスリンをガツンと分泌するパワーがなくなってしまいます。その結果、食後高血糖と低血糖につながるのは、先ほどの「遺伝体質」と同じです。

3:インスリン抵抗性


 「糖質は摂り過ぎていない」

 「インスリンは食事直後にしっかり分泌されている」

 それでも、食後血糖値がシャープに上がってしまうケースもあります。






 インスリン受容体に問題があって、インスリンが十分にあっても、うまく働けない状態になっているのです。これが「インスリン抵抗性」と呼ばれていて、いくつかのパターンがあります。



インスリン受容体が少ない

 インスリンがあっても、受容体がなければ、ブドウ糖が細胞に入れません。







受容体のかたちが微妙にゆがんでいる

 インスリンが受容体にカチリとはまらない状態。こちらも、インスリンはあるのに、ブドウ糖は動けません。






 糖尿病予備軍の人の多くは……

  1 インスリン受容体に問題(数が減少、ゆがみなど)が起こる。

  2 インスリン抵抗性が次第に高まっていく。

  3 インスリンの働きが悪いので、もっとたくさんのインスリンを分泌。

  4 すい臓がとうとう疲れ果てて、ダウンしてしまう。

 という流れで、糖尿病へ進行していくようです。

 糖尿病を防ぐには、インスリン受容体にトラブルを起こさないことが重要になるわけですね。次回は、そのための方法について、お話ししましょう。

閲覧数:115回0件のコメント

Comments


Commenting has been turned off.
bottom of page